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活動報告 - 持論

私立大学のガバナンス確保が急務

 早稲田大学大学院で小保方晴子氏の博士学位論文に関する調査委員会の報告書が先般、公表されました。
 大学としての最終判断は別途行われますが、報告書では、「仮に博士論文の審査体制等に重大な欠陥、不備がなければ、小保方氏に対して博士学位が授与されることは到底考えられなかった。」としつつ、学位取り消しを定める学位規則の規定に該当しないというものでした。
 
 さて、「悪貨は良貨を駆逐する」あるいは「レモンの原理(注)」という言葉があります。仮に、働きながら必死に論文を書いた人と、他の論文の切り貼りをした人が同じ大学院の博士として扱われる場合、どうなるでしょうか。
「博士」全体が信用を失い、誰も博士号を評価しなくなるでしょう。

 博士号を授与するかどうかは、大学の自治の問題とされます。先般、早稲田大学の有志の先生方が早稲田大学の調査委員会の報告書の問題点を指摘する所見を公表しました。このように、日本学術会議の諸先生方を含め、アカデミズムの世界においてもしっかりとした議論が期待されます。
早稲田大学には社会的責任の重さを深く考えていただき、矜持を持って最終判断をしていただきたいと思います。

 その上で、私立大学のガバナンスに対する文部科学省の責任をどう考えるのかという問題が残ります。
 我が国の私立大学は、学生あるいは親御さんからの学費や税金からの私学助成に多く依拠しています。
 教育基本法では、大学は、学術の中心として、高い教養と専門的能力を培い、深く真理を探究して新たな知見を創造する場とされています。
きちんとした経営を行い、優秀な人材を輩出し、社会の発展に寄与する研究を行うことは、私立大学の社会的な責任です。
 行政は、このようなガバナンスを確保するために何をやってきたのか、そして何をすべきか、今、それが問われています。

(注)レモンの原理・・・中古車市場で欠陥車(レモン)と優良車(ピーチ)が混在して購入者が欠陥車か優良車かを識別できない場合に、価格が欠陥車に見合ったものになり、優良車が市場から駆逐されるという経済学上の原理。
持論 | 2014年08月01日    

北方領土問題~日本人として、国会議員として~

 先日、北方領土視察のために根室を訪れた際、北方領土の元島民やそのお子さんとの懇談がありました。
懇談では、北方領土返還に向けた建設的な御意見や、元島民の方々、そのお子さんを取り巻く現状について直接お話しを伺うことができました。
 その際、ある方からの言葉が、国会議員として心に刺さりました。
「先日のネット選挙運動が解禁されたにもかかわらず、ネットで北方領土に触れたのは北海道の議員だけだ。国会議員が地元で支持者に訴えることが返還運動の原動力につながる。」
国会議員は、憲法上、全国民の代表とされており、北方領土問題というまさに全国民的な課題に立ち向かっていく使命を担っています。
元島民の方々の長年にわたるご苦労に、そしてお子さんの代までにご負担を背負わしてしまっている現実に、国会議員それぞれが襟を正す必要を強く感じました。

私の地元の徳島県美馬市出身で、日本人として初めて樺太一周を果たした明治の偉人、岡本韋庵(監輔)は、50代の頃に択捉島などにもわたり、北方領土などの地勢、国土や資源について記した「千島見聞録」を著しています。韋庵の活動は、その後の北方開発の礎へとつながりました。
 明治期に比べ格段に情報量が多くなった現代において、私たちは、このような先達の気概を引き継ぎ、出身地や住んでいる地域にとらわれず、日本全体の視点で物事を考えていく必要があるのではないでしょうか。

 お隣の国であるロシアとの関係の最大の懸案は平和条約締結問題です。戦後、68年を経つ現在においても、平和条約の締結が実現できていないことは、由々しき状態です。
我が国固有の領土である北方四島の帰属の問題を解決して、平和条約を締結することが必要です。
そのため、政府では、4度にわたり首脳会議が実施されており、総理を先頭に北方領土問題の一日も早い解決に向けて尽力しているところです。
北方領土問題の解決に向けては、「お上」に任せれば、あるいは、元島民関係の方々に任せればいいというものではなく、国民全体でバックアップを行う必要があります。
しかし、現状は、元島民の方々、そのお子さんにその責任を担わせているのではないでしょうか。
 元島民関係の方々を支援することはもとより、全国的なネットワークを強化し、北方領土返還運動を国民の各層、各世代に広げていく取組をしっかりと進めていく必要があります。
 私としては、地元に足を運ぶことを始め、様々な観点から、その一翼を担っていきたいと考えております。
持論 | 2013年11月19日    

基本はアスリートファースト!感動満足度を高めて、スポーツ産業を成長産業へ!

 最近のスポーツ団体の問題をみていると、「アスリートファースト」という本来の原点が忘れられているように思えてなりません。

 選手よりも団体の役員たちが主役であるようでは、なんのためのスポーツなのか、日本のスポーツの未来はないと考えます。

 柔道連盟を筆頭に、プロ野球のコミッショナーにしても、その団体をさらに大きく、さらに産業として育てる手法を知らない役員たちが無知であることもわからずにチヤホヤされて居座る姿は、気の毒にすら感じます。既得権や権威というものは、必ず陳腐化し、腐敗します。常に変革を意識していないと淘汰されるものです。
政治も同じで、自民党のいつか来た道に、行かないようにこれからも、常に「革新的保守」でなければなりません。

 政治も専門分野に強い人が大臣になるかと思いきや、全くの素人がなったりしますが、スポーツ競技や産業もふざけた数の役員や無能な役員がいるようです。
海外のスポーツマネジメントや産業育成、コンプライアンスなどを、選手や団体のために勉強している人を各団体の役員や会長にすべきだといつも思いますが、なかなかそうならないのがスポーツ団体の既得権なのでしょう。

 今のところは、我々政治にできることにも限界があります。今回の柔道連盟のコンプライアンスについても、内閣府からの勧告という形がやっとであり、スポーツ全体を把握して監視する機関をつくる必要があることがわかったのではないでしょうか。

 政府にスポーツ庁をつくることも一案であり、また米国のようにオリンピック委員会に全てのスポーツ団体の選定や監視する権限をもたせるのもよいかと思います。
この問題の改革と前進により、スポーツ選手たちが子供たちや我々大人に感動を与えてくれる環境をより整備し、相応の評価をしていく中で、スポーツ産業を成長産業として発展させていくように努力して参ります!
持論 | 2013年08月09日    

「歳出構造改革と競争政策」 ~戦後世代の我慢と挑戦に学ぶ~(8月24日)

 我が国の歴史を振り返った時に、戦後の奇跡的経済発展は、実は1970年代から90年代の20年であった。そしてその礎を作ったのは戦後世代の方々であり、現代の我々世代は、先人の苦労と挑戦により果実を食べて生きてきたのではないか。その果実もすでに食べ尽くされようとしている中で、新たな挑戦や改革が急務であることは言うまでもない。
 我が国そして政治が今まさに実行に移さなければならない課題は、増大する歳出圧力をいかに抑えていくかという意味での「歳出構造改革」と持続可能な成長と税収増を維持していくための「競争政策」以外にない。この改革にいつも立ちはだかるのは「既得権」である。我が国の持続可能性は失われつつあるのに、既得権者はそのぬるま湯につかりながら見て見ぬふりをしている。戦後世代の先人が自らの命をかけ自らを律して、祖国を護り国際社会に復帰し、経済成長をもたらしてくれたことを今一度我々世代が自覚し、同じように将来世代に引き継いでいくべきと考える。

歳出構造改革
「歳出・歳入改革」は自民党時代からも決定打はなかった。大平内閣竹下内閣の消費税増税、今次の野田政権三党合意による消費増税はいずれも「歳入改革」のみであった。さらに国民に対して社会サービスの効率化含めた「歳出改革」は避けて通れないが、その議論は出てこない。その中心課題は「社会保障関係費」である。
最近のオバマ大統領の演説は感慨深いものであった。
「我々アメリカ国民は分相応な生活をし、将来の成長に備えよう」
 まさに我が国こそが我が国のリーダーこそが発信すべきメッセージではないか。
 我が国が財政悪化の一途をたどる一因として、社会保障関係費の増大があげられる。信じられないことに、戦後の財政赤字と同じ状況が、平和な豊かな現代に日本でおきているのだ。以下の構造的問題と具体的な課題を再度国民と再契約していかなければ、いくら消費増税をはじめとした「歳入改革」をしても穴の開いたバケツに水を注ぐようなものだ。
◎日本は憲法25条「生存権」により社会保障関係費は青天井 出来高払いの弊害
◎社会保障サービスの受益者と提供者の問題
◎「節電」は呼び掛けても「医療費の抑制」はなぜ呼び掛けない?
◎これだけ充実しているはずなのに先進国の中で医療満足度が低い日本

(具体的課題)
○医療費の効率化
→保険免責制度、非処方箋薬の見直し、生活習慣病の自己負担適正化、終末期医療健診・検診率の向上、保険者機能強化、診療と治療の差別化
○介護制度の効率化
→特養の内部留保は今や2兆円、社会福祉法人バブル、社会的入院問題
○生活保護費の適正化 

産業政策・競争政策
 家庭における家計と同様に、一定の「収入」がなければ思うような「支出」ができないのは国の財政もおなじではないだろうか。前段では「収入」に見合わない「支出」についての構造改革について触れたが、ここでは「収入をいかにして上げていくか」という課題に取り組む重要性を述べたい。
 「持論」において「公益企業の既得権」「大企業の低迷」について述べているが、産業政策・競争政策についても、戦後世代の先人による「挑戦」や「リスクを負う精神」を今一度学び直す必要があると考える。90年代以降はまさに失われた20年と言われているが、これまた政官財の「既得権の維持」による停滞が一因と考える。我が国は今一度、産業政策としての既得権の現状認識とそれを打破して新たな競争政策・成長政策を構築していくことに全身全霊をかけていかなければならない。
 
 政官財の既得権
◎再編なき大企業
◎公益企業の民業圧迫
◎規制官庁
◎貿易摩擦外部要因
◎租税特別措置

(具体的課題)
○財界の産業再編の遅れ
→電機メーカー、自動車メーカーの再編強化
○「焼け太り」公益企業(交通、通信、エネルギー、金融、放送等)
→サービス向上、金融の流動化、株式市場の活性化
 競争なき業務独占・地域独占企業には成長は生まれない
 中核技術の民間開放などの「再民活」の必要性
○社会構造の変化に対応していない監督官庁規制の抜本改革
○米国との貿易摩擦など外部要因
→医療機器産業の遅れ、薬事法と医療機器、PMDAのあり方
○旧来産業への租税特別措置から成長産業への投資的税制へ
→成長産業の選択と集中
持論 | 2012年08月24日    

リスクを負わない大企業の衰退(8月22日)

 最近日本産業の衰退が叫ばれる中、改めてその現状を検証してみたい。

 以前から「持論」において、「公益企業」の既得権について問題視してきたが、所謂「民間企業」においても特に「大企業」においても、過去の成功にしがみつくことにより、撤退や再編の判断が出来ずに、共倒れ型衰退が散見される。

 ある大手家電メーカーの幹部が、昨今の業績不振について予測していたことを思い起こす。日本の家電メーカーは、5社も6社もが同じように、洗濯機、クーラー、テレビ、デジカメなどを製造する。このこと自体よく考えれば不思議である。消費者も量販店でどのメーカーの製品を買うか迷うことを経験した人は少なくないのではないか。一方家電メーカー各社の事業計画は、毎年増収増益を経営者に報告しその実行を余儀なくされる。

 日本の家電メーカーがすべて増収増益で、尚且つほとんど機能性能に差が無いものを製造すれば、おのずと市場には家電製品の供給過剰が起こる。そこに家電量販店が、「待ってました」と言わんばかりに、値下げ要求をしてくるとメーカーは耐え切れず値下げをする。

 このような構造的な問題を抱えながら、どのメーカー経営責任者も、自分が社長の時は再編や撤退はできないと問題を先送りする。赤字は膨らむ一方となり、デフレの連鎖と賃金カット、リストラにつながり、そのしわ寄せは協力会社たる中小零細企業にまで及び、デフレは更に加速することになる。

 昔の創業者はリスクを負って新製品開発に取組み、リスクを負って撤退の判断もしてきたことは、過去の経営者本を読めば当たり前のように書いてある。日本経済を牽引してきた大企業には、今こそリスクを負える経営者が必要なのだと思う。その経営者は外国人であっても良いが、できれば日本人自らであって欲しい。なぜなら日本には「黒船はもう来ない」かもしれないからだ。
持論 | 2012年08月22日    
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